さてやさて。
性懲りもなく、またもや参加して参りましたよ。Startup Weekend Tokyo, May 2013 in 渋谷!
前回二月に初めて参加した時は右も左もわからない私でございましたが、二回目ともなるとアレ、多少は経験者の余裕が身に付くと思いきや、むしろ前より訳のわからない方向に走り出してしまった次第。
しかしまあ、そのあたりの経緯については後述するとして。
じつは、SWT開催当日を迎えるまでの間、DoorKeeperでずっと以前から予約を入れていたものの、精神的にブルーになっておったのですよ。仕事は山積みだわ、アイデアは浮かばねーわ、嫁が不機嫌だわ、足が水虫だわ、とまあ不安要素がいくつもあった上に、なにしろこのStartup Weekendという"祭り"、体力・精神力の消耗がハンパでないことは分かっていた訳ですからね。
当日直前まで、いっそキャンセルしちゃおうかしら、と本気で考えたくらい。
それでもなんとか気力勇気を奮い起こし、会場に向かった私でした。
そして、その場所に一歩、足を踏み入れた途端。会場の空気に全身が包まれた途端に、よみがえってきたエナジィイイイイ!!!
体の奥底から湧き出てきた熱量で、ブルーな気分なんてあっという間に吹っ飛んでしまいました。
いやー、知らぬ間に体は覚えていたんですね、そこがどういう場所なのか。
そして、これからの三日間、どれだけ興奮に満ちた体験が待っているのかということを。
というわけで、今回も思いのまま心のままに、SWT体験記をつづってしまいます。
秘密結社というアイデア
今回はですねー、ほんとーに直前まで何も考えていなかったのですよ。
前回は優勝こそはできなかったものの、決勝プレゼンまで持ち込むことができたので、今回はピッチしなくてもいいかなー、とも考えておりました。なんというか、どこかのチームの1メンバーになって、何かの役割をコツコツと真面目にこなす、まあ、そういう体験もありなんじゃないかと思っておったのですよねー。
光栄なことに何人かの方に、一緒にチームやらないか、と声をかけてもらったりして、それでもいっかなー、と。
とは言え、せっかく参加するSWT、花のピッチに参加しないというのも野暮ですわいな。
そこで日頃からシコシコと書き溜めているEvernoteのアイデア帳を開き、何か良さげなモノはないかと探したところ、目に留まったのは「自分の周囲から情報を消す」というアイデア。
今の社会、効率よく情報を集めるとか、簡単に情報にアクセスできる、というのはもはや大した価値ではないと思うのですよね。
むしろ情報があふれかえっているから、「Gunosy」とか「Naverまとめ」みたいに情報を"ふるい"にかけようとするサービスが出現しているわけです。
じゃあ、その一歩先を行くサービスと言えば、むしろ情報を人間に"届けない"サービスなんじゃないかと。
・たとえば、 ブラウザを開いても、自分に必要な情報以外はすべて透明度10%くらいで表示させるとか。
・メールはかわりに受け取ってくれて、一週間ごとの要約だけ伝えてくれるとか。
・各種SNSも周回してくれて、要約を作成してくれると共に、「現在、藤井はアンプラグド中です。週末になったら確認しますので、それまでいいね!やコメントはお待ちください」と告知してくれるとか。
まー、そんなふうにですね、人々を世の中の騒々しい情報から切り離し、情報疲れを癒し、真に人間らしい生活を取り戻させる、そんなサービスなら新しいんじゃないか、と考えたんでございます。
ところが、ピッチに参加する人数を聞いた途端に、すぐに考えを変えましたよ。
なんとその数、67人!!
そして私がピッチする順番は36番目。一人あたりのピッチの持ち時間はたったの一分。
おうふ・・・。
「情報を消す」というアイデア。
これはこれで悪くないと思うんですが、一分間でその魅力とか価値とか説明しきれるかというと、ちょっとインパクトが弱い気がしたのですよね。
67人分のピッチをただ延々と聞かされ続ける会場の皆さんの、その心の中に最後まで残ることができるのかどうか。
ぶっちゃけ、ピッチは相手に興味をもってもらえるか、それがすべてです。そこで、急きょ作戦を変更。
ピッチ開始10分前に決めたアイデア、それは「秘密結社」でした。
※これが後に世を騒がせた「Wifi仮面」、その誕生の瞬間である(嘘)。
このアイデア、というより、ほぼコンセプトしかない状態でピッチに挑む私もどうかしていますが、話の中身はともかく言葉のインパクトだけならば全ピッチの中でダントツ!!(のはず)
それもそのはず、もしもアナタが血の通った人間であるならば、「秘密結社」と言う言葉に興味がそそられないはずはないでしょう!
フリーメーソン、黒手組、薔薇十字団、鷹の爪・・・。
激動の歴史の影には、つねに彼らの姿がありました。電信柱の向こう側から、教室の扉の影から、じっとこちらを見つめる内気なあの子のように、彼らの存在は我々人類の脳裏にそれは深ーく刻まれておるのです。
そう、すなわち、秘密結社は人類にとって永遠のキラーコンテンツと言っても過言ではないのですよ!!
「FacebookやTwitterといったSNSの台頭で私たちはお互いに簡単につながることが出来るようになりました。
しかし、そのぶんだけ人間関係が希薄になったんじゃないでしょうか?
Facebookで友達になった人のために死ねますか?
私たちにはもっと濃密な人間関係やコミュニケーションが必要のはずです。
PathみたいなクローズドSNSなどまだ生温い!!
ぼくが提案するのは、もっとディープでシークレットなSNS、すなわち秘密結社です!
秘密結社ですから、ごくありきたりなWebサービスみたいなやつはやりません。
秘密のカードを相手に手渡したらようやく友達申請ができるような、やたらとメンドクサクて意味ありげでなくちゃダメです。
・・・が、ほとんど何も考えていないので、一緒にこのアイデアを磨いてくれる仲間を募集します!!」
大体、このようなことを言いましたが、つかみは十分という感じ。秘密結社、という単語を聞いて皆様、笑っておりましたからね。
そして投票の結果、見事ピッチに勝ち残ることに成功!!
くっくっく・・・、我が策にぬかりはないわっ!!
ちなみに獲得した八票のうち三票は自分で入れた分だってこと。もちろん良い子のみんなにはナイショさ。
チーム作り
さて、ピッチで勝ったからには、この三日間をともに戦い抜く同志を集めなくてはなりません。
そう、今回も楽しい楽しいチーム・ビルディングの時間がやって参りました!
たとえアイデアが良かったとしてもチームが成立しなければ、このStartup Weekend、何も始まらないのですよ。まあ、このあたりは本物のスタートアップとまるで同じですね。というわけで、仲間募集のかけ声にも自然と気合いが入るというもの。
「えー、ひみつけっしゃー、ひみつけっしゃー。秘密結社はいらんかねー。
あ、そこのデザイナーのお嬢さん! ぼくと一緒にこのチームをやらないかい? いい秘密結社があるよー!」
うーむ。秘密結社なのに、我ながら、なんてオープンな勧誘なんだ(笑)
しかし仲間を集める時は、とにかくこちらから積極的に働きかけ、情熱をアピールすることが何よりも重要です。とにかく情熱、情熱、情熱。えーい、暑苦しい。
ともかくですね、本当にチームを作りたければ、誰かがちょっとでも興味を持って自分の前に立ち止まってくれた時点で、即座にその腕をつかみ、二度と離さないくらいがちょうどいいんですよ。
「おおっ! アナタは秘密結社向きの顔をしてます! ぜったいウチのチームに入るべきですよ!」
「いや、ちょっとぼくは他のチームも見てから・・・」
「いーからいーから。さあ、秘密結社で行こう!」
と、相手の迷惑そうな顔もなんのその。
そういえば、嫁と結婚した時もまったく同じ手を使って、無理やり市役所に引っぱりこんだのだっけ・・・。
いやー、情熱ってホントにいいものですねっ!!
そんなこんなで、秘密結社という永遠のテーマ、そのサービス開発のために集結したチームメンバーの顔ぶれは、やはり目的も相まって危険な香りに包まれましたよ!
ユーヤさん
真っ先にチームへの参加を表明してくれた19歳の大学生。
というか、いいのか? 最初のキャリア形成が秘密結社で!?
柔和なマスクからは想像できませんが、彼の心の中では、きっと現代社会に対する言いようのない怒り、憎しみ、言いがかりが渦巻いているのでしょう! わかります、わかりますよ! だって私も昔はそうでしたもん!
それにしても、これほど有望な学生を秘密結社に駆り立てるなんて・・・
大丈夫なのか、日本!?
ナオさん
浜松からの刺客。
その昔、訪れたマチュピチュで偶然にも暗黒の力を身につけ、世界中の秘密機関に命を狙われることになった男。
修羅場を知っているだけに、チームが危機に瀕した際でも、その落ち着きっぷりは並ではない。
世を忍ぶ現在の仮の姿は、営業も企画もそつなくこなすナイスガイである。
特技は、他人のMacBookを自分の物とすり替えること。
※ユーヤさん(左)、ナオさん(右)のツーショット。二人ともさわやかな笑顔ですが「クックック・・・オレたちの力で、世界を混沌のるつぼにたたき込んでくれるわっ!!」と話しています。
タロさん
ラストサムライ。
徹底的に鍛えられた論理思考力、分析力によってつねにチームの議論をリード。まさに切り込み隊長的存在。
その研ぎすまされた舌鋒もさることながら、サッカーで鍛えられた右足から繰り出される真空波の威力絶大。
じつは誰よりも平和を愛する男だが、藤井の魔の手によってチームに参加する羽目に。
※タロさんの姿。クールな顔をしていますが、写真の見えないところでずっと藤井に蹴りを入れています。
マサヤさん
営業テロリスト。
危険思想の持ち主で、(インパクト的に)世界中に爆弾を仕掛けることを夢見るロマンチストである。
目的実現のために様々な知略を繰り出し、また行動するパワープレイヤー。
「世の中のヤツらをビックリさせてやりましょうよ!」と語るときのマサヤさんの目はマジにやばいっす!(笑)
※マサヤさん。落ち着きたっぷりの顔ですが、この間もずっと「爆弾、爆弾・・・」とつぶやき続けていました。
セッチーさん
真のハッカー。
黙々と作業をこなしながらも、ときどき矢のように鋭い一言をチームに投げかけてはまた作業に戻る、ということをやってのける。
チーム結成後、最初の15分間でやったハッキングで藤井の個人情報、性癖、その昔ロッカーに隠した給食の残り、などは一通りチェック済み(たぶん)
それにしても、この人がプロトタイプの開発を一手に引き受けてくれなかったら、一体どうなっていたことか。
※セッチーさん。温和な表情ですが、「ちっ、この使えねーバカどもがっ!!。やはりこのチーム、オレの力が必要だなっ!!」と不遜に言い放っています。
オデンさん
謎の妖精。
食事時になるとどこからともなく現れ、チームの進捗状態を頭に、料理を腹に納めてはどこへともなく去っていく。
その目がすべて開かれるとき、この世界は終わるという・・・。
あー、ところで仕事の締め切りは大丈夫だったんですかねー?
※オデンさん。大仏のようですが、その正体は妖精です。
一日目のまとめ
というわけで、腹を抱え大笑いしながらも無事、チーム・ビルディングに成功したわけでした。
その名も「チーム・マンダラ」!!
うーん、怪しい。怪しすぎるぜ!
本当はもう一人、メンバーがいてその方がチーム名を考えてくれたのですが、翌日から姿を見せなくなったので文章からは割愛させていただきました。きっといろいろと冷静に考え直してしまったのでしょうね、人として。
ともあれ、チーム名をつけてくれたもう一人の仲間にも、この場を借りて感謝を捧げます!
秘密結社という危険なアイデア。
そして、そこに集った6人の男たち+妖精。
我々がStartup Weekend Tokyoの残りの二日間をどのように過ごし、何を考え、何を見出したのか。
また日を改めてお伝えしようと思います。
まて、次週!