IDEA and Players

ベンチャー企業で働く変なエンジニアが勝手なことを書きまくるブログ

とあるベンチャーのひどい真実とこれからのこと・その2

前回からの続き。

とりあえず一週間ほど休みをもらったが、その間は軽い廃人状態だった。
まず朝、布団の上で目を覚ますと、毛布にくるまったままリビングのソファに移動。
そのまま日がな一日を過ごし、眠くなったらまた布団に移動する。だいたいそんな毎日。

とりあえず省エネ、省気力モードの生活が功を奏したのか、一週間もしたら特に問題なく会社にいくことができたが、もっと思い詰めるタイプの性格だったらそのまま鬱になっていたかもしれない。

もうひとつ鬱にならずに済んだのは、12歳も年下の若手でデキるヤツを代わりにリーダーに指名して、自分はさっさと一介のプログラマーとして彼の配下に収まってしまったことが大きかった。リーダーとメンバーで選手交代。まあ交代というより、ただ自分が仕事を投げ出し、彼に押し付けただけに過ぎない。無責任にもほどがあるが、その彼が役目を引き受けてくれた時は本当にホッとした。
ちなみに彼は今でも開発のリーダー職を立派に努めているし、今でも自分がもっとも信頼する仲間の一人だ。

ちょっと話はそれるが、プログラマーという仕事は本当に楽しいものだと思う。
人生がうまくいかないと感じるとき、周囲の出来事の大部分が自分のコントロールから外れてしまっていると感じるときでも、コードを書き進めている間は確かに何かを成し遂げているような実感が得られる。
たとえそれが幻想だったとしても、今一度自分自身の操縦桿をしっかりと握り直さなくてはならない時期にはいいリハビリになった気がする。
プログラミングが好きでよかった。

自分が鬱っぽくなった頃はちょうど、新しく入社してくる人だけではなく、以前からいるメンバーが次々と体調を崩したり、突然に会社へこなくなったりといった異変が続いた時期だった。何かがちょっとずつ壊れている。会社にいる全員がそれがわかっているが、誰もそのことを表立って口に出したりはしない。いや堂々と口に出す人もいたが、そういう奴は物事もよく見えるし、行動力もあるタイプなので、さっさと会社に愛想を尽かして出て行ってしまう。

ベンチャーあるある出来事が、盆と正月、カモと長ネギのセットになって一挙に押し寄せてきたような有様だった。
世の中には変な人間もいるもので「うおおお! 本に書いてある通りに問題が再現されていく!!」などと斜め45度なセリフを口にしながら、はしゃいでいるようなヤツもいて、ひどく呆れたのを今でも覚えている。

まさにカオス。

なお、自分は職場復帰してから数ヶ月もすると、一意専心に低空飛行状態を続けていた甲斐もあって、肉体的にも精神的にもだいぶ回復することができた。今になって思うが、その時期に一切の無理をせず、残業もせず、ただ気力/体力の回復に努めたのは大正解だった、と思う。その時点で無理していたら、さすがにその後の状況変化でポッキリと折れてしまっていたかもしれない。
まあ、その話はまた後日。

ともあれ、その頃になると社長は頻繁に主要なメンバーを集めて、話し合いをするようになった。
そして、そのときの議題はいつも決まっていた。

誰がこのままバスに残り、一緒に先へ進んでいくのか。
そして、誰がこのバスを去るべきなのか?

長くなってきたし、もう眠いので、続きはまた次回。