ここしばらくは本当にクソ忙しく、というかこの1年くらいずっとクソ忙しかったのでブログをほったらかしでした。
というか、ブログに書きたいネタはいっぱいあったし、「あ、このことブログで書いちゃおうかな」とか思ってもあまりに当事者感が強いとけっこうセンシティブな話題も多いので、ブログで書くのも憚られるというか、だったら増田で書けよとか思わんでもないけど、「それはオレの信条じゃねーし」となるのでやっぱり書かない、みたいな。
はい、以上、言い訳終わり。
まあ、またブログを書きたくなったのは気になる記事を読んだから。
【ITエンジニア】SIerで求められる人、自社サービスで求められる人 - paiza開発日誌
ご多分にもれずSIer業界から自社サービスに移ってきた身としては、この記事を読んで、大体「ふむふむ、そうだよな」という感想なんだけど、気になったのは"スキル"という言葉について。
SIerと自社サービスでは事業のゴールがまったく違うので、当然そこに辿り着く迄の行程、要はやらなければならないことが完全に変わってくる。なので、必要なスキルセットも変わってくる。ここまでは当然の理。
スキルとは、ほぼほぼイコールで経験と言えるので、身を置いている業界によって獲得できるスキルセットが違ってくるのもまた必然。
だからSIerでブイブイ言わせていたエンジニアでも、自社サービスに転職しようとしたらスキルがマッチしない、というのは「そりゃそうだ」という話なわけですよ。
しかしながら、SIerのエンジニアの中には一定数の割合で
「客の言ったものをただ作るだけなんて飽き足らない! オレはもっと直接的にユーザのため、世の中のになるようなサービスをこの手で作り出したいんだあっっっっっ!!!」
という暑苦しい情熱とか義憤とかに燃えている方もいらっしゃるわけで、やはりというか当然というか私もまたそんな一人だったわけなので、ただスキルが違うんです、と言われたって、じゃあどうすりゃいいのって話なわけですよ。
ついでに言うと、最近は私自身が採用にも関わるようになっておりまして、そんな私が面接するときに「そろそろ自社サービスをやりたいと思いまして・・・」等と言っちゃう方を目前にした時の、何とも言えない甘酸っぱさ。
そういう人はまた、圧倒的な技術力があるわけでもなく、かといって、自分ですでに何かを作り始めようとしているわけでもない、という場合が多いので、どうしてもお断りさせていただくことになる訳ですけども、そういった方の「こういうことはしたい。でも、何をしていいか分からない」的なオーラを感じたときのやるせなさったらない訳で。
違うのですよ。そもそもの発想が。
最初に変えなくてはならないのはスキルじゃない。マインドセットなんですよ。
スキルとマインドセット、それぞれの言葉をググると、大体以下のような感じ。
一般的には、訓練を通じて身に付けた能力のことで、技能とほぼ同義で用いられる。
経験や教育、その時代の空気、生まれ持った性質などから形成されるものの見方や考え方を指す言葉です。信念や心構え、価値観、判断基準、あるいは暗黙の了解や無意識の思い込み、陥りやすい思考回路といったものもこれに含まれます。
じつは、上記の説明にはスキルとマインドセットのもっとも重要な違いが書かれていない。
スキルを獲得するのには時間がかかる。
マインドセットはそうではない。
それは変えようと思えば、その日からでもすぐに変えられる。少なくとも理屈の上では。
※まあ、実際には人間の価値観やら考え方がそう簡単に変えられるなら、この世の不幸の95%くらいは削減できるんじゃないかと思うが、その点は一旦措く。
では、どのように変えなければならないのか?
それはめちゃくちゃ簡単にいうと、いったんゼロになること、だと思うんですよ。
前述のとおり、SIerと自社サービスではビジネスゴールは異なるし、そこで必要となるスキルセットも違う。要はパラダイムが完全に違う訳ですよ。
パラダイムが違うのだから、SIerとしてはそれまで正しい、うまくいくと思っていたことが通用しないこともある。というか、そんなんばっかし。
なので、自分の経験をいったんゼロリセットしつつ、それまで考えもしなかった領域についても学びつつ、なおかつ、中途の場合はそれだけだとはっきり言って価値が出ないので、それまで経験の中でも使えそうな部分(結局はプログラミングスキルとか)を駆使しつつ、凌いでいくしかないわけです。
なんで、SIerのキャリアの延長線上みたいな気持ちで転職活動しても上手くいくはずがなく、むしろゼロから再出発する、少なくともキャリア価値がいったんは半分くらいになる、くらいの気持ちでいたほうが良いと思うんですよね。
というか、それくらいの覚悟がないと、あまりにやることなすことが違いすぎるので、転職しても心が折れますので。
何度でもゼロに立ち戻って始められる人って強いじゃないですか。
下手なプライドを持たず、未知の状況を受け入れ、すべてを学びに転換しながら前進できる人。
言葉を変えると、これは「失敗できる能力」とも言えるんじゃないかと。
自社サービスをやっている人に失敗しない人はいないし、むしろ「失敗しないように」しすぎると、もっとも大事なスピード感がなくなってしまうので、多少の失敗は恐れずにガンガンやっていくくらいの気持ちが必要です。
といっても、何度やっても学びがない人はいつまでたっても前進しないのでNGですが。
・・・ちなみに、私もつい先日バリカンの操作を失敗しまして、頭髪すべてを零ミリ射撃で剃り落す、という失態を犯してしまいました。以後、このようなことがないよう海よりも深く反省する次第です。
冗談はさておき。
今までの自分を投げ捨て、新しい状況に立ち向かう覚悟が備わっている人。そして、つねに学ぼうという姿勢を失なわず、また実際に学び続ける人。
※そういう人は大抵、もうすでに自分で何かしらのサービスを考えていたり、あるいは実際に手を動かしてサービスを作ってしまっていたりするんですが。
そんな人であれば、必要なスキルなんて後からいくらでもついてきますって、絶対。
ま、そんなわけで、弊社でもただいまエンジニアを絶賛募集中です。www.wantedly.com
多少の障害などモノともせず、ともにばく進できる方のエントリーをお待ちしております!