IDEA and Players

ベンチャー企業で働く変なエンジニアが勝手なことを書きまくるブログ

英語ができないエンジニア、人生初のエレベータ・ピッチ in English! そして、英語学習に関するアレやコレ

私、GTIC(Global Techno Innovation Cafe)というイベントで、やっちまいましたよ。
前回のブログでも書いた失敗共有サービス"残念.me"についての、エレベータ・ピッチ。しかも英語で。

GTIC主宰の秋山 智紀さんとMy Eyes Tokyoの徳橋 功さんが、英語でエレベータ・ピッチをしてみよう!という素敵な企画を立ち上げられたものですから、英語力が貧困なくせに、なんか気の迷いで手を挙げちゃいましたよ。
まあ、今年は今までやったことがないことをどんどんやってやろう、と決めているので、完全にノリだけで決めちまったんですな、これが。

自慢じゃありませんが、私、英語が苦手なんですよねー。中学の時も国語・数学・英語の主要三教科のうち、英語だけが苦手だったし。
じつは私、これでも一応は帰国子女なんでござーますのよ。そんなわけで、私どもの両親は二人とも英語ペラペラ。なのに、不肖の息子たちときたらゲームに表示される英文くらいにしか興味を引かれませんでしたの。HP、MP、YOU WIN、CONTINUE、GAME OVER。大変ですわ、お母様。

しかしまー、あれですな。"帰国子女"って響きはどうも、日本人的イメージでは極端に欧米に偏っている印象が否めません。つまりは、アメリカ、イギリス、おフランス。
ところが、これが例えばパプアニューギニア帰り、となった日には"帰国子女"というより一気に"異邦人(Stranger)"、つまりは、どこか珍しいところからやってきた、一風変わったヤツ扱いになるわけですよ、なぜか。
そんなわけで、小学生当時ナイジェリア帰りだった私も、いわゆる"帰国子女"としてカテゴライズされにくい気がするんですよねー。大体、アフリカから帰ってきたってだけで「どうして腰ミノつけてないの?」とか「どうして鼻の下に骨を刺してないの?」みたいな質問を平気でしてくる日本人のガキどもは何なの・・・。おかしいよ、日本人!

話が少しそれましたが、そんなわけで私が英語を話せないとしてもある意味当然。これは仕方がないことなのであります(力説)。
あーでも、私、英語はダメですがヨルバ語でなら「大きな古時計」が歌えるという妙な特技があります。だからどーした、と言われると返す言葉もないですが。

まあ、それはともかく。

そんな私が、オール英語でエレベータ・ピッチなんかできるんだろうか。
苦手な英語を、すべて口頭で、という条件はいくらなんでもハードル高すぎ!と多少怖じ気づいたものですから、「あのー、スライドとか用意したらダメでしょうか?」とかるーく打診してみたのですよ。
すると、すぐに主宰の秋山さんから「エレベータの中にスライドを持ち込むヤツはいないよねー。それってエレベータ・ピッチじゃないよねー」という、じつにもっともなご指摘が。
ですよねー。

原稿作り

そんなこんなで、とにかくもうやるしかない!と覚悟を決めた私でした。
さて、じつは私、以前スピーチの学校に通っていた時期がありまして、その関係でコンクールにも出たことがあるので、人前で話すことには特に抵抗はありません。スピーチのノウハウは英語でも日本語でも大して変わらんだろうと思うので、後は英語さえなんとかすればいいわけです。

で、まずは原稿を作成。辞書を引いたり、ググってみたりしながら、拙い英語で文章を組み立てるわけです。
幸い、翻訳で稼いでいるフリーランサーな嫁さんがいろいろと指導をしてくれるので、ブレーンには困りません。「こういった表現、ネイティブの人は使わないねー。むしろ、こういう言い回しのほうが自然だと思うー」と、私の原稿をこと細かく添削してくれるので大助かり。そして、ますます嫁に頭が上がらなくなる、という罠。
それにしても、英語偏差値がやたら高い人々に囲まれているくせに、この私の英語力の乏しさと言ったら・・・あれ、おかしいな、涙で前がよく見えないや。

英語についてのあれこれ

嫁さんが英語について話してくれたトピックで、個人的に面白いと思ったことをいくつか。

日本人が書く英文は直訳単語が多くなりがち

たとえば「匿名で」という表現をしようとした場合、日本人は辞書で調べて「anoniumusly」という直訳的な単語を使おうとする傾向がある。
でも、ネイティブは何かしらのイディオムを使ったり、単に「without giving your name」と平素な言葉を組み合わせるのが一般的。

日本人は「There are 〜」が苦手

日本人はとにかく「There are 〜」で始まる英文が書けない。というか、日本語の文法から遠いので、そういった英文を発想しにくい。
「人がたくさんいます」という文章、日本人なら「Many people are 〜」と思わず訳したくなるところ。
※もちろん正しくは「There are many people」。

そして、ネイティブは「There are 〜」が大好き。ゼアラ、ゼアラとしょっちゅう言うらしい。まあ、個人差もあるのでしょうが。

発音(pronunciation)より強勢(accent)

発音は大して重要じゃない。
もちろん、ネイティブのような発音でしゃべれたほうが良いに決まっているけど、非ネイティブが重視すべきはむしろアクセントだとか。
とくに日本人の英語は一本調子になりやすいので、タテノリ感覚(笑)でリズムをつけながらしゃべるとよい。
正しいところにアクセントが置かれていれば、発音が多少アレでも十分、相手に通じる。

よく日本人は"L"と"R"の発音を区別できない、と言われているけど、そんなの気にする必要はない。
たとえば、「米(=rice)」と言いたいところを、「複数のシラミ(=lice)」と間違って発音してしまったとして、それをネイティブが笑ったとしたら自信をもってこう言い返せばいい。

 Actually, I'm not a native speaker.
 I don't think my pronunciation is perfect, but so what?
 Are you an idiot?
 No Japanese eats lice for breakfast and it's common sense, right?
 If you really think I eat lice, you don't have any understanding.
 You must use your head, OK?

「たしかに私はネイティブじゃないから発音は良くない。
 でも、常識で考えて、シラミを食べるわけないじゃない?
 それくらいのことがわからないなら、あなたの頭に問題があるのよ!
 わかった!?」

この点に関しては「英語に限らず、外国語の勉強にはそれくらいのふてぶてしさが必要! 日本人の謙虚さは、むしろ勉強の邪魔になる!」と断言する嫁であります。とあるド田舎の農家で生まれ育った嫁は、上京してから英語の勉強をはじめ、コツコツと努力を積み重ねた結果、プロの翻訳家となった経歴の持ち主。
その言葉には並々ならぬ説得力があります。・・・おーこわ。

ひたすら練習

まあ、そういった指導を受けながらもようやく原稿の第一稿が完成。
後は練習あるのみです。

学校に通って教わったスピーチのコツは、とにかく練習すること。3分のスピーチであれば、最低でも30回、できれば100回は練習しろ、と言われてました。
3分のスピーチを30回練習すれば、大体1時間半で終了。100回でも、5時間。1日1時間ずつの練習を、5日間やればいいだけです。

スピーチで重要なのは、文章を一字一句、間違えずに読み上げることではないんですよね、当然ながら。
何度も練習するのは、本番のときに緊張して頭が真っ白になっても、自然と口から言葉が出てくる状態を作り上げるため。

まず頭に文章を叩き込み、ストップウォッチで時間を計りながら、実際に話してみる。
予定時間の3分を過ぎたり、短すぎたりしたら原稿を調整。そして、また練習。
文章が頭に十分に入ったら、次は言葉の合間に時間を取ってみたり、言葉に強弱をつけたりする練習。
そうすると、また時間がずれてくるから原稿を再度修正して、ちょうどいい長さに持ってくる。

最終的な原稿が固まったら、あとはひたすら、とちったりしなくなるまで練習。
とまあ、そういったことを100回はやりました。正確な回数は覚えていないので、多分ですけど。

それにしても英語でのスピーチを練習していると、アゴの周りの筋肉がやたらと痛くなる。
たぶん日本語を話すだけでは絶対に使わないような筋肉を動かしている結果なのでしょう。どうして欧米人の顔立ちがああも立体的なのか、わかるというものです。

そうして作り上げた私のピッチ内容は、下記の通り。
簡単な内容なのでわざわざ訳文を載せたりしませんが、なんとなーく私がしたかったピッチが伝われば嬉しいです。

Hi, My name is Takuya.
Today, I'd like to explain about my funny idea.

At first, I think Facebook is great service. As you know, many people post to Facebook about their daily lives everyday.
There are full of wonderful stories! You know, having nice meal, having a party, dating with girlfriend or something like that.
It's very nice, I know. but ... to be honest, sometimes it make me tired!
You too, right?

Why nobody post an idiot sroty, like "Oops, I drank too much last night, ... and I wetted my pants"?
... Don't get me wrong, it's NOT my story. I have not wetted my pants
... at least since I was 20.

My idea solves this problem. My service is called "残念(Zan-nen).me". "残念" means unfortunate or disappointed in Japanese.
If you make a mistake, of cause you don't want post it to Facebook. ... especially if you have friended your BOSS!
At that time, you can post to "残念.me" about your mistake or accident without giving your name.
And any other users will probably cheer you up by commenting, ... or clicking "Oops!" button.

I think most japanese people are afraid of making mistake and feeling embarrassed too much.
So "残念.me" will change the mind of such people, and their worries turn into fun with laughing.
Then it should help them to stand against to the future without being afraid of failure.
That is what I aim to.

Finally, please let me know, if you think my elevator pitch is failure.
... I will post it to "残念.me"!

Thank you!

本番

そんなわけで当日、エレベータ・ピッチをやってきたわけであります。
ちょっと緊張してしまって、練習の時ほど上手くやれませんでしたが、まあ、スピーチなんて大体そんなものかな、と。

それより、笑ってもらおう、と狙っていたところで、誰も笑い声が上げなかったときの気分と言ったら・・・思わずウヒャーって叫び出したくなりましたね。いやー、もう逃げ出そうかな、と。
でもまあ、何食わぬ顔でスピーチを進めるうちに、少しずつくすくす笑いが聞こえてきたので、安心したわけですけども。

あと、持ち時間の3分間のうち15秒くらい余してしまったので、もう少し間を長くすれば良かったなー、と反省。
緊張すると、どうしても少し早口になってしまうんですよね。
そして当然ですが、話し言葉では"間"がめちゃくちゃ大事です。"間"をどう使うかで話の印象がガラリと変わりますからね。
そのためにはとにかく場数を踏んで、慣れることが大切かなー、と思いました。
これは今後の課題ですね。

残念ながら優勝はできなかったんですけども、皆から「面白い!」って言ってもらえたので、私としては大満足です!
そんなわけで、"残念.me"に投稿せず、自分のブログに書いたわけでした。

最後に

というわけで、人生初となる貴重な経験を提供して下さった秋山さん、徳橋さん、GTICの皆様、そして、私の拙いスピーチにつきあって下さった皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました!
めちゃくちゃ楽しかったです! うひゃあ、またやりてー!!