IDEA and Players

ベンチャー企業で働く変なエンジニアが勝手なことを書きまくるブログ

突撃!隣のベンチャー KiHeiTai Inc.

元ド底辺SIerの私がベンチャー企業の立ち上げに参加して、約一年と一ヶ月が経ちました。
なんとかβ版のリリースに漕ぎ着けはしたものの、さてこの一年あまりの自分の仕事ぶりを振り返ってみると・・・。
まあ、ぶっちゃけると、ダメダメです。

どこがダメか? 数え上げるとキリがないくらいですが、とりあえず「SIer畑の技術者がベンチャー企業に入るとどんな壁にぶち当たるのか?」という話はまた今度まとめるとして。

どんな仕事も立ち上げ初期はイレギュラーな出来事が多いものでしょうが、いつまでも行き当たりばったりは通用しません。
とはいえ、今後どうやって仕事を構築していくのか、ベンチャーレベル1の身にはわかるはずもないので、ここは先達に学ぼうと思い立ったのが一ヶ月前のこと。
同じVCさんにお世話になっている誼みで奇兵隊様に普段の仕事ぶりを見学させてほしいとお願いしたところ、快く承知して下さいました。ああ、ありがたや。
そんなわけで、行ってきましたよ、いざ奇兵隊見学へ!
KiHeiTai Inc. http://kiheitai.co.jp/ja

格の違い

閑静な東麻布の一画、おしゃれなビルの一室。そこが奇兵隊の本陣でした。
そんでもって一歩、事務所に足を踏み入れた時点で悟りましたね。
・・・こいつら、格が違いすぎる・・・


格の違いその1:仕事に対する姿勢

訪問した直後はちょうど定例の会議中だったようで、みなさんで新機能のアイデアについてブレストしてました。奇兵隊ではTapTripという国際交流アプリを運営しているんですが、どうしたら海外の現地に実際にいるような臨場感をユーザ体験として組み込めるか、みたいな話でしたね。のっけから、なんという面白そうな話。

不思議だったのが、みなさん活発に議論をしながらも、そばにあるでっかいホワイトボードではなくて、各自思い思いの場所でPCに顔を向けたままだったこと。
背後からデスクトップをのぞき見ると、Googleドライブ上で文書を開いて、リアルタイムで議事録が編集され、みんなでそれを確認し合っていたとわかりましたよ。ああ、なるほど、こういう使い方があるとは気がつかなかった。

打ち合わせの後、CEOの阿部さんが奇兵隊では普段どのように業務を進めているのかを直接レクチャーしてくれました。
PDCAをどうやって回しているのか、KPIをどのように計測しているのか、開発チーム内でどのように情報共有をしているのか、まさに自分が知りたかったこと、聞きたかったことの数々。
何より驚いたのは、SIerも真っ青なほど業務プロセスが効率よく設計され、運用されていたこと。ここ一年の経験で、ベンチャー企業とはグダグダの別名である、とまで考え始めていた私にとってこれはかなりの衝撃でした。
また、ビジョン→戦略→実装仕様の関連を一枚絵で表した資料まできちんと作られていて、メンバー間でビジネスゴールを共有するのに役立てているという。あなたが神か。


格の違いその2:チーフエンジニアの森さん

障害対応

そんなレクチャーの最中、突然TapTripで障害が発生したらしく、事務所の中は一気にピリピリムードに。そして障害と聞いて「なんて懐かしい響き」などと思わず色めき立つ無責任な男が約一名。
とりあえず素早い暫定対処で事態を収拾したのち、トヨタ生産方式さながらの「なぜなぜ5回」をやって真の原因を探り出していく様は、前職での仕事風景を目の当たりにしている気持ちになりましたよ。
どんな現場でもやはり「なぜなぜ」は重要だったということか。

対応に追われた奇兵隊の皆様には申し訳ないんですが、自分にとってはグレートなタイミングでの障害発生でした。
この手のトラブルに感謝したのはこれまでの技術者人生で初めてですw

まとめ

とりあえず今日の見学で得たことのうち、すぐにでも取り入れようと思ったことは次のとおり。

Googleドライブを使った文書管理、および議事進行
 とにかくすごく便利そうだった。他の人が書き起こしている議事録を同時に確認できるというのは素晴らしい。
 そしてホワイトボートと違って記録に残る。これは是非やろう。
 
・同じくGoogleドライブ上のスプレッドシートでの課題(PDCA)管理
 前職でもよくExcelで課題管理をしていたのだけども、エンジニアの自分にとってはRedmineとかのほうが性に合うし便利とも思っていた。
 しかし、現在の職場でエンジニアは自分しかおらず、あまりメンバーに課題管理方式がなじんでいない印象がある。
 むしろスプレッドシートの方が今の状況にフィットするかも。

・データ分析と目標の設定
 今自分たちに一番できていないところがココだと感じましたね。
 議論に数字が伴っていない。なので、どうしても上すべりしてしまう。
 そして数値目標を設定することの大事さ。そこにフォーカスすることで次に何をするべきかを決断しやすくなる。
 ただし、数値こそすべて、みたいな考えにならないよう注意する必要もありますが。

最後に

 自分たちのチームと比べたら奇兵隊の皆さんがあまりに遠く先を歩いているような気がして、ため息まじりに
「ぼくたちはまだゲームの1面にいるようなもんです。でも、奇兵隊さんたちはもう8面くらいクリアしていますよね」
って言ったら、「でも、この先700面くらいありますよ」とCEOの阿部さんから笑われましたよ。
 まったく、そうですよね! ま、これから先の700面、ガンガンとぶち当たって行きますか!

 奇兵隊の皆さんには貴重な学びの機会と一緒に、勇気まで分けていただきました。
 あらためて心から感謝を申し上げます!